前回の話の続きです。
朝の登校風景は!?
新一年生になった長男。朝は近所に住む子同士、登校時間が同じ子同士がなんとなく揃って一緒に学校に行きます。慣れている高学年は、スタスタと足早に歩き一人で登校する子もいます。
長男は、通学距離が比較的長い方なので、子どもの足だと学校まで20分くらいはかかります。また、右に曲がったり左に曲がったり、坂を登ったり・・・と、最初の頃は迷子になる子もいるくらい、少し入り組んだ通学路です。
なので我が家の周りに住む子たちは、朝の集合時間と待ち合わせ場所を決めて、一緒に登校することになっていました。長男ももちろん、みんなと一緒に登校させてもらうことにしました。
新一年生の長男が、初日から一人でその待ち合わせ場所に行けるはずもなく、とりあえず私も一緒に行きました。
待ち合わせ場所は、通学路であり、高学年の女の子が住む家の前でした。
長男が小さい時から散々遊んできた仲間もいれば、初めて見る顔の子もいました。そして、待ち合わせ場所となっている女の子の家のお父さんも、毎朝家の外に出て来て、見送ってくれていることを知りました。

子どもたちはみんな元気に挨拶をしてくれました。モジモジしている長男に、声をかけてくれる子もいました。黄色い帽子を被っている新一年生には、上級生の子たちは優しく接してくれたように感じます。
さて長男は・・・、
「おはよう」のひと言が出ませんでした。
毎日遊んでいる仲の良い友達もその待ち合わせ場所にはいるのに、学校へ行くことへの不安からなのか、初めて見る子たちへの緊張からなのか、長男の顔は引きつっていました。
私は、待ち合わせ場所の家の女の子のお父さんに挨拶をしました。「これからよろしくお願いします」と。
それから、初めてお会いした方だったので少し迷ったけれど、長男の事を少しだけ話しておきました。『慣れない場所や人には、極度に緊張してしまって、思うように話せないかもしれません・・・。すみません・・・」と。
すると、そのお父さんはガハハ!と笑って言いました。
「男はベラベラ喋らないほうがいいんだよ!」と。
その後何日経っても長男は、「おはよう」が言えないままだったけど、そんな風にあっけらかんと対応して下さったことで、私も長男も良い意味で気が抜けて、親子でガチガチに緊張せずに済みました。

そして突然やってきた悲しい出来事
それから何日か経ち、みんなのはるか後ろを一人で下を向いてついて行く長男だったけど、なんとか登校出来ていました。上出来です。学校に通えているのですから。
そんなある日の午後、突然私の携帯電話が鳴りました。
知らない番号からでした。
この時期、長男のことで学校からかかってくる電話は多かったけど、知らない番号からの電話には一瞬出るのを躊躇しました。
でも思い切って出てみました。
相手はあのお父さんでした。
どうやら連絡網で私の携帯電話の番号を調べてかけてくれたようです。
「〇〇(長男)君がねぇ、下校中の通学路で4年生か5年生くらいかなぁ、それくらいの子に酷いことをされていたんだよ。あれはふざけているって感じじゃないよ。かなりひどかったよ。黄色い帽子を被った一年生だったから、さすがに可哀想で止めに入ろうと注意したら、〇〇君じゃないの!すぐに学校に電話しなさい。あんなことは黙っていたら絶対駄目だよ!!」
お父さんは、一気にまくしたてる感じで状況を説明してくれました。
とりあえず長男と上級生を引き離し、2人がバラバラに帰って行くのを見届けてから一旦家に戻り、私に電話をよこしたそうです。
私の心臓はバクバクしていました。一番起きて欲しくなかったことが、こんなすぐに起きてしまったか・・・と愕然としました。新一年生の長男が必死で学校に通っていたのに・・・と涙が出そうになりました。
それでも、電話を終えた後、一旦冷静に考えてみました。
2人の間に何があったのかを。
上級生のその男の子は、長男に何か話しかけたのかもしれません。最初はいじめるつもりなんてなく、ただ普通に接したのかもしれません。
でも長男は話さなかった。
正確には、『そんな見知らぬ子から突然話しかけられて答えられるはずがなかった。』
もしくは、長男がおどおどし過ぎていたのかもしれません。どうしていいか分からず戸惑い、その場からすぐにでも立ち去りたいという表情と態度が顕著に表れていたのかもしれません。
それに対して、その男の子はカチンときた。言葉で言っても分からないのなら、と手が出た。そして、やられ続ける長男をたまたま居合わせて目撃したお父さんが、止めに入ってくれた。そして急いで私に電話をかけてくれた・・・。
想像だけがグルグルと頭の中を駆け巡り止まらなくなってしまったけど、とりあえず、長男が帰って来るのを待ちました。
・・・帰ってきた長男は泣いていました。
ピカピカの一年生の証である黄色い帽子とランドセルが、すでにクタっと見えてしまうほど、小さく感じました。
胸が締め付けられました。
そしてこの後、私は意を決して、学校に電話をしました。
またまた③につづく・・・。

